・前回までのあらすじ
・最終話「Legend to Myth」
・神話級の能力をもった変身を体感しよう
・オルビルの記憶獲得方法
・「契約のケプリシャの水晶」販売期間
・次元の亀裂シリーズ第1弾 【超異世界エヌ・シー・ファイブ】をチェック!
・注意事項
グンターは、オルビル家の粛清は自分が原因だと思っていた。
その罪悪感から、話せる島に戻ってからも身分を隠して陰からアルフォンスを助けてきた。
アルフォンスも知っていたが、知らないふりを貫き通していた。
「アルフォンス、お前とは積もる話が多いな……」
「グンター、話は後だ。今はやるべきことがある」
アルフォンスは『オルビルの剣』を握って谷の中へ走り始めた。
グンターとケプリシャ、レッドもその後を追った。
アルフォンスはモンスターたちを切り捨てながら進み、薄れた魔物の気を吸収するたびにアルフォンスの力とスピ―ドは格段に増加していった。
そんなアルフォンスの姿をグンターは後ろからじっと見守った。
その時、ケプリシャの背筋に寒気が走った。
水晶を取り出してギラン村を映し出すと、コロシアムの方からケレニスとケンラウヘルが村へ向かっているのが見えた。
「ケ、ケレニス……ケンラウヘルまで……」
覚醒したアルフォンスはまるで使い方を知っていたかのように両手で剣を持ち、大声をあげながら空を斬った。
すると、斬った部分がガラスのように割れ、白い光が漏れ出始めた。
ケプリシャは信じられないといった面持ちで目をみはった。
「次元の剣……本当の話だったんですね」
割れ目は徐々に広がり、ギランのコロシアムに通じる亀裂ができた。
アルフォンスがその亀裂に入ろうとしたとき、グンターがアルフォンスの腕を掴んで止めた。
「アルフォンス、このまま村に行くとすべて終わるぞ」
薄れた魔物の気を吸収して力が開放された青い瞳のアルフォンスはグンターに向かって言う。
「フィリスが狙われている……」
「今まで耐えてきた時間を無駄にする気か。別の方法を探すべきだ」
「グンター……私には何があっても守らなければならないものがある!君に剣を向ける私を許してくれ」
グンターは首を狙ったアルフォンスの攻撃を避け、1対1に持ち込んだ。
鞘から剣を抜き、クロークを脱ぎ捨てたグンターがアルフォンスに襲いかかる。
「ショックスタン!」
グンターの攻撃に、アルフォンスもスキルを使う。
「カウンターバリア!」
騎士同士の真剣勝負。
スタンとスタンがぶつかり合う一進一退の攻防が繰り広げられた。
その光景を見ていたレッドが真剣な面持ちでつぶやく。
「す、すごい。二人ともAC-250超えてそうだな……紋様か?コレクションか?」
「え?」
ケプリシャは怪訝な顔でレッドをみる。
「あ、なんでも無いです……」
戦いはそう長くは続かなかった。
グンターのブレードスタンがアルフォンスに命中し、アルフォンスは手から剣をこぼれ落として気を失った。
倒れたアルフォンスを受けとめたグンターは、ケプリシャとレッドに言った。
「薄れた魔物の気をできるだけ多く集めてギラン村に向かうんだ。すぐに後を追う」
「わ……わかりました」
レッドはそれを聞くと同時に走り始め、グンターの頼みを仲間に伝えようとしているようだった。
レッドが絶壁から飛び降りると、6つの光がレッドのもとに集って 見事に着地した。
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ケレニスはギラン村の中央で立ち止まった。
ケンラウヘルも横で腕組みをしながら辺りを見渡していた。
悪名高いケレニスがケンラウヘルを連れて直々にギラン村に来るというただならぬ出来事に、村人たちは固唾を呑んで見守っていた。
ケレニスはアデン商団の前を通りながら、鋭い口調で彼に話しかけた。
「あらあら、またずいぶんと肥えたようね?前はあんなに筋肉質だったのに」
「ア……アハハハ。この太っ腹も年季が入って良くないですか?」
少し緊張したアデン商団が頭をかきながら、ぎこちなく笑った。
ケレニスは、武器防具商人のバジルを一瞥し、緊張する血盟商人のリンの前を通り過ぎると、倉庫番のノディムの前に立った。
「えへへ……ケレニスさま、何か預ける物でも……」
ケレニスは何も言わずに後ろを振り向くと、雑貨商人のジミニと目が合った。
ケレニスはジミニの方に近づいていき、指で彼女の顎を持ち上げて、睨むように顔を見た。
「ど、どうしたんですか……ハハハ」
「あなた、名前は?」
「ジ、ジミニと申します……」
「どこの家の?」
「シャゼル家のシャゼル・ジミニです」
「どうやらあなたが一番怪しいわ……ちょっとついて来なさい」
ジミニは拒む間もなくケレニスに腕を掴まれて引きずり出された。
辺りが騒然とし始めたその時、偉大な旅行者の後ろで、顔を隠したグンターが誰かに指示を出した。
次の瞬間、ジミニの近くにある郵便箱の草むらに隠れていたグリーンが、薄れた魔物の気をジミニの背中に素早く投げ込んだ。
薄れた魔物の気はジミニの背中に触れると同時に消滅し、ジミニの体に吸収された。
ケレニスに抵抗するジミニの体を薄い青のオーラが覆いはじめ、ジミニはケレニスの手を振り払いながら叫んだ。
「痛いって言ってるじゃないですか!!!!」
強烈な突風と共に青い光がジミニの体から放たれ、ケレニスを押し出した。
ケレニスは呆気に取られた顔でジミニを見ていた。
「これは……アブソリュートバリア?」
ジミニを覆っていたバリアはすぐに消え、ケレニスを押し出した突風もすぐにやんだ。
それを見ていた住民たちはざわつき始め、ケレニスに対する不満を口にし始めた。
「回復剤を売る雑貨商人の子になんてことを……」
「なんだなんだ。ケンラウヘルの妾にでもするつもりか?」
「ジミニは何も悪いことはしてないのに……なんで急に……」
不穏な空気に感づいたケンラウヘルが、ケレニスに近寄って耳打ちする。
「この小娘がオルビル家の人間だという決定的な証拠はまだない。この人目では赤騎士団とその支持者にも情報が伝わってしまう。
今は引け」
「ですが、今のは……アブソリュートバリアでは!?」
「カウンターマジックの巻物が暴発したのだろう……今は引くんだ」
ケンラウヘルの話を聞いたケレニスは、大魔術師の自分がなんとか使えるアブソリュートバリアを、こんな小娘が使えるはずがない……と自分に言い聞かせ、怒りを押し殺した顔でジミニに背を向けた。
「フン……証拠が見つかれば、この手で殺してやる……」
ケンラウヘルとケレニスはそのまま北の方へと去っていった。
二人の姿が見えなくなると、緊張の糸が切れたのかジミニはそのまま泣き崩れ、周りの村人たちが慰めた。
隠れていたグンターは、村人に気づかれないように草むらの中にいるグリーンに親指を立て、グリーンも南側の家の後ろに隠れていたケプリシャとレッド、そして仲間たちに向かってそっと親指を立てた。
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一連の騒動が過ぎてからまもなく、いつもの場所でアルフォンスは目を覚ました。
周りを見渡しギラン村だと気づくと、焦るように雑貨商店にいるジミニを確かめた。
そこには、普段と変わらず雑貨を売るジミニがいた。
その時、ケプリシャからの伝言がアルフォンスに届いた。
ケプリシャは彼が気を失っていた間に起きた出来事を説明し、それを聞いたアルフォンスは気が抜けたように笑った。
「またあいつに借りを作ってしまったな……」
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―――4日後。
雲ひとつ無い快晴のもと、木の下でアルフォンスは寝ていた。
そんな彼の前に現れた黒い影。
人の気配に気づいたアルフォンスが目を開けると、そこにはケレニスが立っており、何も言わずにじっとアルフォンスを見下ろしていた。
アルフォンスは体をゆっくりと起こし、跪いて物乞いを始めた。
「こうみえてわしゃ、昔はすごい大金持ちだったんじゃ……べっぴんさんや……どうかお施しを……」
ケレニスは少し考え込みながらアルフォンスを観察すると、懐から100アデナをアルフォンスに投げ捨ててつぶやいた。
「うーん……呪いに問題は無いみたいだけど……」
「ありがてぇ……この金は必ずや博打で儲けて返しますんでぇ……」
「 今は落ちぶれてっけど、わしゃ元々大富豪だったんじゃ……バカでかい豪邸に女に不自由しない大富豪!……グヘヘ……」
ケレニスはアルフォンスを憐れむように一瞥すると、何も言わずテレポートでその場を去った。
ケレニスが去ると、アルフォンスは跪いていた脚を崩し、また木の下でくつろぎ始めた。
「ジミニ……いや、フィリスが無事でよかったですね、アルフォンス様」
木の後ろからケプリシャが話しかけてきた。
アルフォンスは木にもたれかかりながら、笑みを浮かべて答えた。
「そうだな、無事で本当によかった」
――― 完 ―――
神話級の能力を持った新変身巻物登場!
今回追加の「ケプリシャの変身の巻物」の製作も、引き続き製作画面内の「イベント」タブ>「巻物」から行うことができます。
→第3話で追加された変身製作はこちら
→第2話で追加された変身製作はこちら
ケプリシャの変身の巻物(神話級)作成のために必要な「オルビルの記憶」は、特殊ダンジョン「N次元の亀裂」のモンスターからドロップします。
また、「契約のケプリシャの水晶」から獲得できる各種変身の巻物や、ブラックを除くエヌ・シーファイブ変身の巻物を材料として製作可能です。
2020年7月1日(水)メンテナンス終了後~2020年7月29日(水)メンテナンス開始前まで(予定)
販売期間
2020年6月24日(水)定期メンテナンス終了後~7月29日(水)定期メンテナンス開始前まで
「契約のケプリシャの水晶」はゲーム内ショップの「イベント強化」から1個10,000アデナで獲得可能で、イベント期間中毎日10個まで購入できます。
「契約のケプリシャの水晶」を使用すると、「アルフォンス」「パンドラ」「グンター」に変身できる各種ケプリシャの変身の巻物を獲得することができます。
アデン全土を震撼させた大人気次元の亀裂シリーズ第1弾【超異世界エヌ・シー・ファイブ】公開中!
・第1話「謎の男」
・第2話「異世界スーツ無双」
・最終話「エヌ・シー・ファイブ―Forever―」
※本情報は公開時の内容をもとに作成しております。
※開催期間や内容は予告なく変更する場合があります。